あおあお

わかったようでわかりにくい著作権の問題…

ウェブデザイナーに著作権は非常に重要な問題ですが、もちろんCanvaでデザインを作成する場合も同様で、著作権についてはきちんと知っておく必要があります。

著作権を侵害すると、法的トラブルに発展する可能性があるためです。

また、悪意のある第三者によって自分の作品が盗用される可能性もあるため、自分の作品を守るためにも著作権について正しく理解しておきたいところ。

この記事では、ウェブデザイナー歴10年以上、フリーランス歴7年以上のあおが、「著作権とはなにか?」という基本的なところから、真似した場合、どこまでがパクリ(著作権侵害)で、どこまでがセーフなるのか?、「それ著作権おかしてるよ!」というNG例まで。

Canvaデザイナーが気をつけるべき著作権についてをまとめています。

そもそも著作権とは?

著作権とは、著作者が創作した作品に対して、独占的な権利を保有することです。

つまり、著作者は自分が作成した作品を自由に利用することができ、他人が無断でその作品を利用することを禁止することができます。

ウェブデザインにおいては、ウェブサイトのデザインや画像、コンテンツなどが著作物に該当します。

もちろんあなたがCanvaで作った作品も、著作物にあたります。

デザイン初心者が気をつけるべき5つのNG例

デザイン初心者が著作権に違反しないように、よくあるNG例をいくつか紹介しておきます。

  • インターネットからダウンロードした画像や素材を無断で使用する
  • 他人が作成したデザインや画像を自分の作品として使用する(丸パクリ)
  • 著作権フリーではない画像や素材を使用する
  • 商用利用にも関わらず商用利用NGの素材を使用する
  • クレジット(著作者)表記を求められる素材にも関わらずクレジットを表記しない

これらの行為は、著作権侵害に該当する可能性があります。

特に素材については、著作権フリーのものでも商用利用には制限をもうけていたり、クレジット(著作者)表記が必要な場合があります。

著作権フリーの素材であっても、必ず一度利用規約に目を通してから使用しましょう。

Canvaの素材の著作権は?商用利用はできる?

Canvaにおいては、基本的に著作権フリー、商用利用可になっています。

テンプレートを使用した場合も、そのままの再配布や販売はNGですが、加工をすればOKです。

ただし、テンプレートや素材をつかった商標登録は禁止されているため、商標登録予定があるものを作る場合は下記を守りましょう。

  • 素材やテンプレートは使わない
  • ロゴなどを作るさいは□◯△、線などの一般的な図形を使用して作る
  • フォントを使用する場合はフォントの利用規約を確認する

また、音楽素材はYouTubeやウェブ広告使用はOKですが、テレビなど従来のメディア広告や有料チャンネルでの使用はNGになっています。

基本的なSNSデザインを作る分には、基本問題ない、と思ってもらってOKですが、念の為利用規約には一度目を通しておくことをおすすめします。

▽Canva公式ページ「Canvaで許可されている商用利用と禁止事項について」
https://www.canva.com/ja_jp/learn/commercial-use/

参考にして作ったデザイン、どこからがパクリになるの?

丸パクリがダメなのは、なんとなくみんなわかっていると思います。

でも実際すでにある作品を参考にして作るのはよくあることだし、私自身良いデザインを参考に作って作ることをすすめています。

その方がクオリティの高い作品ができるからです。

そもそも自分で思いついたアイデアでさえ、これまでみた作品の知識ストックから生まれているものなので、どこまでがセーフなのか、非常に分かりづらい、この問題。

当たり前ですが、他人が制作した作品をそのままコピーすることは著作権侵害です。

ただし、どの程度がコピーとして認められるかは、結局はケースバイケースなので、例をいくつか紹介します。

著作権侵害になることが多い例

一般的には、以下のような場合には著作権侵害とされることが多いです。

  • テキストや画像など、他人が制作したコンテンツを、そのままコピーして利用する場合
  • 他人が制作したウェブサイトのレイアウトやデザインを、そのまま模倣して自分の作品に使用する場合
  • 既存のロゴや商標を、そのまま複製して自分の作品に使用する場合

著作権侵害にならないことが多い例

一方で、以下のような場合には著作権侵害とされないことが多いです。

  • 他人が制作したコンテンツを、一部改変して使用する場合
  • 他人が制作したウェブサイトの要素を参考にして、自分の作品に使用する場合(ただし、直接的に複製しないことが必要)
  • 自分で撮影した写真や自作のイラスト、自分で書いた文章など、自分で制作したコンテンツを使用する場合

基本的にウェブデザインにおいては、レイアウトと色は著作物にはなりません。

料理を作る時、同じように大根をいちょう切りしてたとして「パクられた!」とはならないと思います。

それと同じような感じです。

なので、部分的にレイアウトや色を全く同じにしても、著作権の侵害とはなりません。

誰かが作ったデザインのレイアウトや色を参考に作っても、オリジナルの要素(画像やテキスト、アイデア)などが加わればOKなのです。

実際そのように素晴らしいデザインを参考にしながら、ほとんどのウェブデザインはつくられています。

また、まるごとパクったとしても、自分の練習用にトレースしたものであれば、公開しなければ問題はありません。

デザイナー初心者が著作権侵害を回避するための対策

自分が著作権侵害しないためにも、自分の著作権を侵害されないためにも下記のような対策をとると良いでしょう。

  • インターネットからダウンロードした素材を使用する場合は、著作権フリーの素材を利用するか、著作権者からの許可を得る
  • 自分で作成したデザインや画像には、著作権表示を入れる
  • 他人が作成した素材を利用する場合は、ライセンス条件を確認し、著作権者から許可を得る
  • SNS上での画像利用には、投稿者の許可を得る

これらの対策を講じることで、ウェブデザイナーは自分自身の作品を守り、著作権侵害に対しても正しい姿勢を示すことができます。

クライアントワークの著作権問題について

お金をいただいて作ったものは?

クライアントワークで作った著作物については、譲渡するかどうかを契約時に取り決めます。

が、実際のところは、この辺がうやむやで仕事をスタートしてしまっている場合が多いでしょう。

SNS投稿画像やウェブサイトなどの制作、ロゴの制作など、費用をもらって作った制作物の著作権は、その依頼主(クライアント)に譲渡するのが一般的です。

そのため著作権表示もクライアント会社名などが多いです。

例えばウェブサイトの一番下に書いてあるコピーライト。

実際は別の制作会社が作っていても、そのサイトを保有する会社名になっています。

編集元データにおいては、一昔まえは別途料金をいただき提供していましたが、最近はCanvaなどで簡単に作れるようになったこともあり、そこでちまちま料金をとるよりは長期的なお付き合いを考えて、編集データも追加料金なしで渡している場合が多いですね。

とはいえ、どの程度の制作物かにもよるので、ここもケースバイケースではありますが…。

しかし、自分が制作したオリジナルキャラクターや撮影した写真など、著作権を譲渡したくない時、一時的に使用OKとして契約する場合などには、「著作権は譲渡しない」旨を契約書にしっかり明記すべきです。

クライアントが知らずに著作権を犯していることも…

最近は簡単に個人起業ができるようになり、著作権の知識がないまま制作を依頼される方も増えています。

なかにはインターネット上からコピーしてきた、あきらかに著作権フリーではないと思われる素材を渡されることも…。

そういった時には、ウェブデザイナーとしてクライアントにきちんとアドバイスをおこないましょう。

クライアントとウェブデザイナーはビジネスパートナー、という意識をもって著作権侵害を避けるための対策を共に取ることが必要です。

SNSの投稿画像の著作権はどうなる?

ちょっと話はそれますが、SNSに投稿された画像の著作権はどうなるのか?

気になりませんか?

結構無断で使用されているケースも多いですよね。

SNSに投稿された画像については、投稿者が著作権を保有しています。

ただし、投稿者がどこかの画像や投稿を丸パクリするのはもちろん著作権侵害なので、新たに著作権を保有する…ということにはなりません。

あくまで、オリジナルの投稿において、ということです。

では、「シェアとかはOKなの?」という点ですが、SNSの利用規約に従って、SNS事業者がその画像を利用することは許されている場合があります。

公式アプリのシェア、埋め込み機能など、提供されている機能を使って引用することがOKなのは、このためですね。

ただし、公式アプリの機能を使わず、SNS上で他人の画像を利用する場合には、投稿者の許可が必要であることが一般的です。

まとめ

著作権侵害やトラブルを避けるためには

  • 丸パクリしない(レイアウトや色など部分的に参考にするのはOK)
  • 参考画像は複数用意する(パクリになりにくい)
  • 素材や写真は著作権フリーのものを使用する(ウェブ上から勝手に使わない)
  • 著作権フリーと書いてある素材サイトでも商用利用不可の場合があるので必ず利用規約を確認する
  • ウェブサイトなどをキャプチャして使う時は引用元やクレジット(著作権)がわかるようにする
  • 著作権を守りたい時は制作物にコピーライトを書いたり、著作権について明記する。取引などでお金が絡む場合には契約書に明記する

これらだけ気をつけていれば基本的に大丈夫です。

あおあお

一時期「TTP(徹底的にパクる)」って言葉がありましたが、そのまま鵜呑みにしちゃダメですからね!

また、Canvaでデザインをする時もすべての素材は著作権フリー・商用利用可なので心配はない、と思ってもらってOK。

ただし、商標登録時だけ気をつけてください。

あおあお

これらの点をしっかりと押さえておけば、Canvaデザイナー、ウェブデザイナーとして、安心して活動することができますよ♪